除雪機の事故で3年間で13人が亡くなっていると、製品評価技術基盤機構(NITE)が22日、発表した。近年は温暖化の影響で湿った重たい雪が一度に大量に積もるドカ雪が起きやすく、高齢化で人力の除雪には限界があり、除雪機を使う機会が増えていることが背景にあるとみている。
NITEに通知された製品事故情報によると、除雪機で負傷・死亡した事故は2013年度から22年度までで38件発生、うち25件が死亡事故だった。中でも20年度から3年間の事故が21件と半数以上を占め、死亡者も13人と急増した。
10年間の死亡事故での最多は、除雪機の下敷きになった事故で15件。次いで除雪機に巻き込まれた事故が6件。
死亡事故の8割が利用者の誤使用・不注意によるものだった。特に多いのが、操作ハンドルから手を離すと自動的に停止する安全装置などを無効化したり、使わなかったりしたケースだった。
21年1月に広島県で発生した事故では、80代の男性が、安全装置を大きな洗濯ばさみで固定し機能が働かないようにして除雪機を動かしていたところ、バックした際に転倒。ハンドルから手を離したが除雪機が止まらずに、下敷きになって死亡した。
NITEは「この冬すでに大雪となっている地域もあるが、安全機能を解除しない、エンジンをかけたまま離れないなど、注意事項を守って使ってほしい」と呼びかけている。(大村美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル